2019.04.26
あきたのCG屋の社長さんのハナシ 春に桜を見て思う編
その1:春に桜を見て思う
桜の花の時期も終わり、サツキの花が咲き始める時期になりました。そろそろ新入社員や新入学の学生の方々も、自分のペースをつかみ始めるころではないでしょうか。新たなことを始めるのに、春というのは良いタイミングではないかと思い立ち、今回から、日々の会社経営やCG業界に居て感じたことを書こうと思います。
メッセージとか随筆、コラムなどと言うと堅苦しくなってしまうので、「さいきん調子、どう?」なんて感じで始まるちょっとした立ち話だと思って、お付き合いください。
私たちの会社のシーズクラフトは、タイトルにも入れたようにCG制作(CGを使用したあらゆるデジタルコンテンツ制作)を基幹事業とする会社で、本社が秋田にあります。私自身は取引先(映像制作関係の会社は東京にたくさんあって、全国的にみると一極集中してます)との打ち合わせ等々もあって、東京と秋田を月に何度か往復するような生活をしています。
このことを知ると、「秋田のお生まれなんですか?」「秋田のことがお好きなんですね」とおっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。心苦しいんで告白すると、実は私は新潟生まれで、結婚するまでは秋田とは密な縁はなかったんです。妻が秋田出身で、それで縁が深く繋がった感じです。
私の今のテーマは「秋田でやりたいことがやりたい~それで秋田が元気になれば更にいい~」です。そう思って事業を進めています。
秋田でやりたいことがやりたいというのは、東京に出ないと仕事の場がない、いま住んでいる地方ではやりたい仕事が十分にできない。そういった場所の垣根を壊してしまいたい。そういう思いです。これは、意思決定力を持って自由でありたいという事とも繋がります。
「○○がやりたい!」と思った時、たとえばそれが映画や映像制作の仕事であるとしたら、いま地方でできるところがどれぐらいあるでしょう。でも、東京であったらすぐに人や機材を集めることができます。資金もそうかもしれませんね。
たとえばそれが映画や映像制作でなかったとしても、地方で東京と「同じ条件」で、「同じような仕事」をするのは難しいという現実があります。ただ、各地域には自然や産物、地理的な特質、それによって育まれた気質といったそこにしかない特色というものがあります。その特色を残したままで東京と地方のコミュニケーションを密にしたい。それによってあらたな発展へと導くきっかけが作れるのではないだろうかと、春の宵に桜を見上げながらぼんやりと考えたりしています。
その際に障害となるのが、距離の問題です。インターネットをはじめとする通信の発展で、地方と中央の距離による情報格差は小さくなりました。Skypeなどを使った遠隔会議なども増えたし、データのやり取りもFTPでできてしまいます。それでも最初の立ち上げの時は、直接会って感覚やテイストの擦り合わせをした方がスムーズに仕事が進むのは、経験上わかっています。
そのなかなか埋めづらいところのある距離の問題を解決できるもののひとつがVRという技術だと私は思います。そのVRの臨場感を上げて行くことに関してもCGが大きなウェイトを担っていると考えています。