2023.01.11
裸眼立体視とは? 裸眼立体視ディスプレイの仕組みや活用方法を紹介
裸眼立体視という言葉をご存知ですか?
一昔前なら、映画などで3D映像をメガネをつけて見た経験もあったかと思われます。
今日では、そんな3DメガネやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)なしで立体の映像を見ることができる技術が発展してきています。
この技術は駅やビルなどでみられる立体的に見える映像広告などとはまた異なった技術で裸眼での立体視を実現しているんです。
今回は、裸眼で立体的に見られるディスプレイの仕組みや見え方、強みと弱み、活用方法についてご紹介します。
裸眼立体視は、3DメガネやHMDの装着を必要とせずに立体映像を見る技術のことを言います。
この技術では、見る人の視線認識の変化を追うことで、角度や向きが異なる被写体の映像を切り替えて出力することで、立体映像を視界に映し出すことが可能です。
立体視は、これまで色々な仕組みがあり、今まで実用化されてきました。例えば、3D映画(専用のメガネを掛けるもの)や3DS(ゲーム機)といった技術です。
現在では、これらとは異なる仕組みで立体視を実現している裸眼立体視ディスプレイが現状有力な技術となっています。
この裸眼立体視ディスプレイは多方面から両眼視差によって生成された立体映像を明るい状態で目に届けるために、レンチキュラーレンズ(長いかまぼこ状の凸レンズ)をモニターに貼り付けているという仕組みになっています。
また、映像の表示装置によって違う方式が取られます。
一つ目は、カメラやセンサーで顔の位置を追跡しながら出力映像を変化させられるものです。この方式ではディスプレイの前で立体視できるユーザーは1人です。
二つ目は、複数の視野からの映像を同時に出力させる方式です。光学的に異なる角度から見ると、異なる映像が見えるようになっており、多人数が1つのディスプレイの前で同時に立体視を体験することができます。
見る人の目の位置(ユーザーの顔の位置)によって、多方面の角度や向きから撮られた被写体の映像を、何度も切り替えて出力してディスプレイに投影することで、立体的に見える仕様となっています。
裸眼立体視ディスプレイの特長として、VRや3D映画と比べて、3DメガネやHMDを着けることなく、手軽かつ簡単に立体映像を楽しめる点が挙げられます。
例えば、デジタルサイネージ(LEDやディスプレイなどの電子的な表示機器)を用いた広告なら、電車内や繁華街の交差点にあるビジョン、店頭での案内などでも応用が可能です。
近年では、内蔵カメラを利用して顔や身体の動きを認識するインタラクティブ型のサイネージも生まれてきています。その中でもハンドトラッキングという手の動きを追従してサイネージ上に反映させるという技術は、特に注目されています。
実はこのハンドトラッキングと裸眼立体視ディスプレイを組み合わせることで、効果的な相乗効果を生み出すことができます。
裸眼立体視ディスプレイ単体では当然ながら立体的に見えるだけで手に触れることはできませんが、ハンドトラッキングと組み合わせることでまるで手に取るようにディスプレイ上のオブジェクトを操ることができます。これまでVRの中でしかできなかったような3Dのオブジェクトを実際の手で操るということが、ハンドトラッキングと裸眼立体視ディスプレイを組み合わせることで可能になってくるのです。
裸眼立体視ディスプレイは、まだ完璧な技術ではありません。例えば慣れによるところも大きいですが、立体的な映像を長時間見ることによって酔ったり目が疲れたりすることがあります。
既存のサイネージやディスプレイと比較すると、裸眼立体視のディスプレイのコストが高くなります。
具体例を挙げると、ソニーが、空間再現ディスプレイ技術(Spatial Reality Display)を実際に製品化させて、2020年10月にリリースされた「ELF-SR1」は、55万円(税込み)でした。
特定の人に、匂いを届ける技術で少量だけ目の前で噴射しながら、映像に香水や森、食事、火薬などで臨場感のあるシーンを視覚と聴覚から訴えかけるように裸眼立体視ディスプレイを活用する方法もあります。
他にも、実例として、群馬県歴史博物館では、手の動きを読み取る機能を利用して、3Dモデルの画像の向きを自由に替えられるデジタルコンテンツを公開しています。
内蔵カメラを利用して顔や身体の動きを認識しながら、立体映像を投影する場面で使用されます。
自動車や時計の「立体カタログ」の実例でも、空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)に内蔵されたソフトウェア上でハンドトラッキングで操作することで、映像内の自動車を動かして画面外に飛び出てみることなども可能としています。
3Dモデリングを行うデザイナーが、立体映像を投影しつつ状況を把握しながら作業することができます。
他にも、空間再現ディスプレイを用いて、VR向けのコンテンツの閲覧や作業を実現できます。
現在の裸眼立体視ディスプレイの用途としては、アイドルやミュージシャンの握手会やコンサートで、アイドルなどの映像をほぼ等身大のサイズで立体感を持たせてタイムラグを起こすことなく映像を表示するというものがあります。
現状では、若干二重に映る部分もありますが、目の前にアイドルがいるような臨場感を味わうことができます。
裸眼立体視ディスプレイがより普及すれば、普段のオンライン会議などにも活用されるようになり、オンラインでのコミュニケーションがより豊かに行われるようになるかもしれません。
未だに、ディスプレイサイズや視野角の制限などの影響で裸眼立体視ディスプレイは特定の状況でしか使えません。
しかし、2023年1月にSONYから27インチ(既存製品は15インチ)の立体視ディスプレイが発表されるなどの進化を続けており、実用性や活用の広がりが期待されます。
このようにまだまだ裸眼立体視技術は進化の過程にある技術となっていますが、現状でもそのインパクトは十分ある中で、実用性も向上してきているため活用の幅はどんどんと広がっているといえるでしょう。
今回は、裸眼立体視ディスプレイの紹介や強みと弱み、活用方法、裸眼立体視技術の進化についてご紹介いたしました。
今後、3DメガネやHMDの着用をせずに立体的に裸眼立体視ディスプレイに投影された3DCGや動画広告を活用して、デジタルサイネージ広告の導入が市場の拡大と共に広がると考えられます。
弊社シーズクラフトでも、裸眼立体視モニターを活用したインタラクティブなコンテンツの研究を行っています。その様子はこちらの動画でチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=3oFGC9DleKc
動画上では飛び出しているようには見えませんが、実際操作している人には3Dモデルが飛び出すように見えています。
シーズクラフトでは、『バーチャルの力でリアルがもっと楽しくなる』を信条に、映画2022年の6月11日(土)に公開した『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のエフェクト制作やNHK「チコちゃんに叱られる!」の合成カット制作をはじめとする数々のテレビ番組やアニメ、ゲーム作品のCGを制作しています。
もし、ご自身の会社で裸眼立体視を応用した映像表現で、プロモーションやCG制作を加えたいと考えている方は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら
一昔前なら、映画などで3D映像をメガネをつけて見た経験もあったかと思われます。
今日では、そんな3DメガネやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)なしで立体の映像を見ることができる技術が発展してきています。
この技術は駅やビルなどでみられる立体的に見える映像広告などとはまた異なった技術で裸眼での立体視を実現しているんです。
今回は、裸眼で立体的に見られるディスプレイの仕組みや見え方、強みと弱み、活用方法についてご紹介します。
裸眼立体視とは?
3Dメガネなしで立体的な映像を見ることができる
裸眼立体視は、3DメガネやHMDの装着を必要とせずに立体映像を見る技術のことを言います。
この技術では、見る人の視線認識の変化を追うことで、角度や向きが異なる被写体の映像を切り替えて出力することで、立体映像を視界に映し出すことが可能です。
裸眼立体視の仕組み
立体視は、これまで色々な仕組みがあり、今まで実用化されてきました。例えば、3D映画(専用のメガネを掛けるもの)や3DS(ゲーム機)といった技術です。
現在では、これらとは異なる仕組みで立体視を実現している裸眼立体視ディスプレイが現状有力な技術となっています。
この裸眼立体視ディスプレイは多方面から両眼視差によって生成された立体映像を明るい状態で目に届けるために、レンチキュラーレンズ(長いかまぼこ状の凸レンズ)をモニターに貼り付けているという仕組みになっています。
また、映像の表示装置によって違う方式が取られます。
一つ目は、カメラやセンサーで顔の位置を追跡しながら出力映像を変化させられるものです。この方式ではディスプレイの前で立体視できるユーザーは1人です。
二つ目は、複数の視野からの映像を同時に出力させる方式です。光学的に異なる角度から見ると、異なる映像が見えるようになっており、多人数が1つのディスプレイの前で同時に立体視を体験することができます。
裸眼立体視ディスプレイはどうみえる?
見る人の目の位置(ユーザーの顔の位置)によって、多方面の角度や向きから撮られた被写体の映像を、何度も切り替えて出力してディスプレイに投影することで、立体的に見える仕様となっています。
裸眼立体視ディスプレイの強みと弱み
裸眼立体視ディスプレイの強み
3DメガネやHMDなしで立体映像を楽しめる
裸眼立体視ディスプレイの特長として、VRや3D映画と比べて、3DメガネやHMDを着けることなく、手軽かつ簡単に立体映像を楽しめる点が挙げられます。
例えば、デジタルサイネージ(LEDやディスプレイなどの電子的な表示機器)を用いた広告なら、電車内や繁華街の交差点にあるビジョン、店頭での案内などでも応用が可能です。
ハンドトラッキングとの連携でインタラクティブな体験ができる
近年では、内蔵カメラを利用して顔や身体の動きを認識するインタラクティブ型のサイネージも生まれてきています。その中でもハンドトラッキングという手の動きを追従してサイネージ上に反映させるという技術は、特に注目されています。
実はこのハンドトラッキングと裸眼立体視ディスプレイを組み合わせることで、効果的な相乗効果を生み出すことができます。
裸眼立体視ディスプレイ単体では当然ながら立体的に見えるだけで手に触れることはできませんが、ハンドトラッキングと組み合わせることでまるで手に取るようにディスプレイ上のオブジェクトを操ることができます。これまでVRの中でしかできなかったような3Dのオブジェクトを実際の手で操るということが、ハンドトラッキングと裸眼立体視ディスプレイを組み合わせることで可能になってくるのです。
裸眼立体視ディスプレイの弱み
まだ発展途上の技術である
裸眼立体視ディスプレイは、まだ完璧な技術ではありません。例えば慣れによるところも大きいですが、立体的な映像を長時間見ることによって酔ったり目が疲れたりすることがあります。
既存のディスプレイよりもコストがかかる
既存のサイネージやディスプレイと比較すると、裸眼立体視のディスプレイのコストが高くなります。
具体例を挙げると、ソニーが、空間再現ディスプレイ技術(Spatial Reality Display)を実際に製品化させて、2020年10月にリリースされた「ELF-SR1」は、55万円(税込み)でした。
裸眼立体視ディスプレイの活用方法
エンターテイメント
特定の人に、匂いを届ける技術で少量だけ目の前で噴射しながら、映像に香水や森、食事、火薬などで臨場感のあるシーンを視覚と聴覚から訴えかけるように裸眼立体視ディスプレイを活用する方法もあります。
他にも、実例として、群馬県歴史博物館では、手の動きを読み取る機能を利用して、3Dモデルの画像の向きを自由に替えられるデジタルコンテンツを公開しています。
デジタルサイネージ
内蔵カメラを利用して顔や身体の動きを認識しながら、立体映像を投影する場面で使用されます。
自動車や時計の「立体カタログ」の実例でも、空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)に内蔵されたソフトウェア上でハンドトラッキングで操作することで、映像内の自動車を動かして画面外に飛び出てみることなども可能としています。
3D制作
3Dモデリングを行うデザイナーが、立体映像を投影しつつ状況を把握しながら作業することができます。
他にも、空間再現ディスプレイを用いて、VR向けのコンテンツの閲覧や作業を実現できます。
オンラインでのコミュニケーション
現在の裸眼立体視ディスプレイの用途としては、アイドルやミュージシャンの握手会やコンサートで、アイドルなどの映像をほぼ等身大のサイズで立体感を持たせてタイムラグを起こすことなく映像を表示するというものがあります。
現状では、若干二重に映る部分もありますが、目の前にアイドルがいるような臨場感を味わうことができます。
裸眼立体視ディスプレイがより普及すれば、普段のオンライン会議などにも活用されるようになり、オンラインでのコミュニケーションがより豊かに行われるようになるかもしれません。
裸眼立体視技術はまだまだ進化途中だが、現状でもインパクトのある活用が可能
未だに、ディスプレイサイズや視野角の制限などの影響で裸眼立体視ディスプレイは特定の状況でしか使えません。
しかし、2023年1月にSONYから27インチ(既存製品は15インチ)の立体視ディスプレイが発表されるなどの進化を続けており、実用性や活用の広がりが期待されます。
このようにまだまだ裸眼立体視技術は進化の過程にある技術となっていますが、現状でもそのインパクトは十分ある中で、実用性も向上してきているため活用の幅はどんどんと広がっているといえるでしょう。
裸眼立体視ディスプレイの活用、3DCGの制作ならシーズクラフトにお任せください
今回は、裸眼立体視ディスプレイの紹介や強みと弱み、活用方法、裸眼立体視技術の進化についてご紹介いたしました。
今後、3DメガネやHMDの着用をせずに立体的に裸眼立体視ディスプレイに投影された3DCGや動画広告を活用して、デジタルサイネージ広告の導入が市場の拡大と共に広がると考えられます。
弊社シーズクラフトでも、裸眼立体視モニターを活用したインタラクティブなコンテンツの研究を行っています。その様子はこちらの動画でチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=3oFGC9DleKc
動画上では飛び出しているようには見えませんが、実際操作している人には3Dモデルが飛び出すように見えています。
シーズクラフトでは、『バーチャルの力でリアルがもっと楽しくなる』を信条に、映画2022年の6月11日(土)に公開した『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のエフェクト制作やNHK「チコちゃんに叱られる!」の合成カット制作をはじめとする数々のテレビ番組やアニメ、ゲーム作品のCGを制作しています。
もし、ご自身の会社で裸眼立体視を応用した映像表現で、プロモーションやCG制作を加えたいと考えている方は、お気軽にお問い合わせください。
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