2019.06.22
あきたのCG屋の社長さんのハナシ 私とVFXのかかわり編
その4:私とVFXのかかわり
私のCG制作のキャリアの始まりは、ゲーム会社でのグラフィックの制作の仕事でした。
元々はVFXがやりたかったので、ゲーム会社でのグラフィックの仕事をずっと続けていく中で、「やっぱりVFXの仕事をやりたいな
ということで、転職し、ちょこちょこCMやTVの仕事をしつつ徐々に映画の仕事をするようにシフトしていったという感じです。
私がゲームのグラフィックをやっていた1990年代~2000年代初期、当時グラフィックが話題になった『シェンムー』等のゲーム作品にも関わらせていただき充実していました。
しかし、当時のハードの限界もあって、やりたい表現や動きがあっても思うようには作れないもどかしさも同時に感じていました。
今は機材の性能も上がって、出来ることの自由度も高くなっています。今のゲーム機では映像表現の幅がかなり広がっています。
でも、まだ理想とする動きや表現から見ると制約はないとは言えません。
それでも8bitだったファミコンや16bitのゲーム機の頃や、私たちがゲームグラフィックに関わっていた頃と比べると、隔世の感があります。
使える色数も、エフェクトも格段に増えていますし。
私たちが現場にいた頃は、ちょうどポリゴンで表現するゲームが出てきた頃で、
ポリゴンを立体的に配置してテクスチャーを貼るようなグラフィック(以下3DCG)が増えていきました。
それでも主流は、まだまだドットで描くグラフィックでした。
今は、手描きも残っていますが、3DCGでキャラクターや背景を作る作り方が増えています。
それに、スマホのゲームでもかなりのグラフィック表現が出来る性能になってきています。
やはり昔に比べるとハードの性能が良くなって来ているので、表現のクオリティも高くなってきていますね。
いま我々が映画の仕事でやっているのは、CGによる合成が主です。
CGで合成するっていうのは、演技している生身のキャラクター(俳優)はCGで作るのではなく撮影、それに背景をCGで作って合成するっていうやりかたです。
かなり昔、CGが流行りだした頃のCM撮影などでは、なんでもかんでもCGでした。
ちょっとした角度の違いなどは、撮り直してくれればいいのだけれど、撮り直してくれなくて……たとえばちょっと動きが違うのを「後でCGで修正しといて!」と
魔法のツールのような扱いをされていて、大変な思いをしたこともありました。
服の着せかえなどもありましたが、すごく面倒くさい作業なので、可能であれば撮影し直した方が時間もコストもかからないのでは? と思っていたこともありました。
今も映画などの映像作品に参加させていただいていますが、CGが使われているのがあたりまえになって、
CGっぽくない何でもないところにたっぷりCGが入っていたりします。え? これ撮影ではなく3DCGなの? とか。作っている私達も、映像を見て不思議な気分になることがあるんですよ。
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